2/10 『就労当事者支援セミナー』のご報告

 平成30年2月10日(土)に関市文化会館で開催した『中濃圏域障がい者就労当事者支援セミナー』のご報告です。

本セミナーは、今回で5回目の開催となり、例年多くの方にご参加いただいております。当日は大変寒い中、障がい当事者16名、支援者36名の計52名の方々にご参加いただきました。

開催内容はこちらをご覧ください。

発表は、精神障がい当事者の自助グループ『ピアサポートグループすまいる』のピアサポーターのお二人。ピアサポートグループすまいるは、精神障がいのある当事者が、同じような病気・障がいのため悩む仲間とのつながりを大切にし、支え合う活動をしています。

発表では、病気を発症した頃のこと、その時の気持ち、仕事のこと、周囲の反応、現在の生活に至るまでを、時系列でわかりやすくお話しいただきました。
現在一人暮らしをしているAさんは、家族から病気について「話すな。たわけにされる」と言われ、話さないようしてきた。地域で暮らしていく中で、周囲との関係性に悩み、精神的に追い詰められることもあった。でも、地域生活支援センターすいせいのスタッフは親身になって自分の話をきいてくれたことが驚きだった、とのこと。また、ピアサポートグループすまいるの活動を通して、喫茶店に一緒に行く友達も見つけることができた。友達の存在には、助けられているとのこと。
病気と子育ての両立について話されたBさん。妊娠を機に服薬を中止したことにより、病状の波が激しくなった。育児をする中で、「わが子を殺めてしまうのでは」との恐怖感もあったとのこと。Bさんは「わたしはあえて周囲にSOSを出してきた。第三者の力を借りてでも子供が無事に育っていってほしかった。今は子供がかわいいと思えるようになった。周りの環境と、子供達のおかげだと思っている」と話されました。

一緒に登壇していただいた、地域生活支援センターすいせい 管理者兼相談支援専門員の浅野 雅彦氏。一人暮らしの孤独と気楽さについて言及されたAさんの言葉を受け「一人暮らしは尊重する。でも孤立させてはいけない。本人が言葉を発するのをゆとりを持って見守ることが必要」と話されました。また、頓服以外の方法で、対処法を見つけたBさんの言葉を受けて「小さな発見のようではあるが、本人にとっては大きな発見。普段の生活の中で、試行錯誤を繰り返して得た経験は、他の方の役に立つかもしれない。それを共有することで、人と人とのつながりが生まれ、支え合いが生まれる」とも話されました。ピアサポートグループすまいるの活動での支え合いは、こんな思いから生まれたのだと感じました。

今回のセミナーに参加された方は、発表を通して様々な思いを感じたことでしょう。障がい当事者による自身の「リカバリーストーリー」を聞き、その状況を想像し、本人の気持ちや辛さに思いを馳せることができたように思います。本当によいセミナーだったとあらためて思います。

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